『ハリー・ポッター』のような
魔法が強力な世界で、
絶望的に魔法の使えない者はどう立ち回るのか?
これは現実の世界でも言えます。
持つ者と持たざる者
本書は「勇者選抜大会」で主人公明彦が優勝したところから始まります。
※優勝したにも関わらず明彦は勇者になれません
そんな明彦は魔法が使えません。
魔法の世界(魔法至上主義)で、
魔法が使えない明彦
さして賢いわけではない明彦
いわゆる脳筋という表現が適切かもしれない明彦です。
私たちの世界でも多くの人が、何かしらの持たざる者です。
持たざる者が立ち向かうためには、主人公の明彦のような精神にヒントがあるのではないかと感じました。
どんな試練がこようと旅のメンバーを信じ、
「己にできること、それだけに一撃を込める」。
最後まで、誰も欠けては成しえない展開です。
現実世界でもお互いを信じ、高め合いながら試練を乗り越える。
そんな中心となる心の勇者が『カギ』なのかもしれませんね。
そして、明彦は、伝説となった朽ちた大剣を打ち直して突き進む。
そんな信念を持った真の勇者。
著者より。
読み終えたあと、問いが残る 何を信じ、何を守り、どんな未来を選ぶのか──読み終えたあと、自分自身に問いかけたくなる物語です。
シンプルな「勇者VS魔王」に信念・葛藤・思惑が広がる物語


魔法の戦闘に肉弾戦で挑む明彦は圧巻です。
実際に戦闘シーンは面白いです。
はじめは、戦闘描写に物足りなさを感じていたものの後半は戦闘シーンが激化し、明彦の強さは際立ってきます。
ここが上手い!!
前半と後半で、戦闘シーンに強弱をつけることで映画のように自然な盛り上がりが演出されています。
本の内容紹介
kindle電子書籍は『無料サンプル』として試し読みをすることができます。
本書のポイント:王国と魔王軍の戦い、その裏にあるヒューマンドラマ
和平を結んでいた『魔王が死んだ』
「勇者選抜大会」で優勝した明彦は不運にも勇者になれません。
実力を買われた明彦は、王の命令で物語のカギとなる『3つの至宝』を集めに出ます。
不屈の剣
魔法石
生命の鏡
案外、簡単に手に入れることができた「不屈の剣」。
しかし、徐々に雲行きも怪しくなり、クライマックスまで怒涛の展開。
一気読みできること間違いありません。
シンプルな「勇者VSシン魔王」の構図に、思想・葛藤・矛盾が折り重なる多層的な物語。
仲間それぞれが信念や過去を抱え、群像劇としても読み応え抜群。
読後には「自分は何を信じ、何を守るのか?」という問いが残る。
巧みに張られた伏線が美しく回収され、最後まで没入できるストーリー展開。
個人的にツボ!!
~3つの至宝が三種の神器になぞらえている件~
草薙の剣(くさなぎのつるぎ)
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
八咫の鏡(やたのかがみ)
ということは、主人公はスサノオノミコトのように純粋で不屈な精神を持ち合わせているという感じかもしれません。
章立てハイライト
辺境の村から旅立つ青年・明彦
強さを求める動機が、やがて「守る力」へと変化していく。
王国と魔王軍の戦い
正義と陰謀が入り混じる、複雑な戦況。
仲間との出会いと絆
キャラクターの芯の強さや種族と立場に囚われない信念が際立つ。物語に厚みを与えている。
究極魔法をめぐる争奪戦
力を求めることの意味が試される。
最後に明彦が選んだ答え
明彦の「己は、与えられた力をどう活かすのか?」という問いへの結末。
勇者ゲームやモンハンが好きな人にオススメ!!
独断と偏見による、コアな楽しみ方を紹介させていただきます。
本書ではドラゴンクエストのような職業や種族によって異なるキャラクター設定が明確に施されています。
実際に職業をイメージしながら読み進めると楽しさが倍増します。
ドラゴンクエスト風の楽しみ方
下記は、あくまで管理人であるひで汰による「ドラクエ職業別」に登場人物を振り分けてみました。
バトルマスター

MPと賢さ以外のステータスが極めて高い
肉弾戦に特化し、チームの前衛・守護の要
明彦(勇者になれず):大剣を装備し、唯一特技である体術を駆使する
レンジャー

自然の力で大技を繰り出す
ダンジョン攻略のスキルが高くゲーム攻略を助ける職業
楽子:知恵と経験で磨かれた『旅案内の要』
魔法戦士

切ってヨシ、打ってヨシ。
剣と魔法の流れるような戦闘スタイル
七姫:元魔王将軍の一人。実直な女剣士。
ドラゴン・はぐれメタル
特殊な肉弾戦と最大級の呪文が使えるモンスター
人と心を通わせ味方になる強力な存在

刻騎:龍魔族の末裔。伝説の剣士として語り継がれている存在。
ストーリー展開に厚みが出た工夫
読みやすさと深みの両立
王道の冒険譚でありながら、思想や人間模様の描写が描かれています。
キャラクターが魅力的
女性キャラクターの強さ、元魔王軍の将軍や伝説の魔族が旅のメンバーになる心強さは随所で圧巻です。
伏線回収
多層的に張られた仕掛けが、終盤に向けて鮮やかに収束。
最初と最後、「あの人」に収束されています。←おっといけない。これ以上はご法度。
読後感が余韻を残す
エンタメ性と哲学的なテーマ(自分の役割、強みと弱み)を上手く絡め惹きつけられます。
kindle電子書籍は『無料サンプル』として試し読みをすることができます。
著者から読者へひとこと

澤 哲也さんから一言
✔︎ シンプルな構成に、複雑な問いを重ねる。 「勇者VS魔王」という構図に、キャラたちの思想・葛藤・矛盾が重ねられ、“戦う理由”が多層的に描かれます。さらにたくさんある伏線も綺麗に回収される一作です。
✔︎ 仲間それぞれが「思い」を持って戦う 明彦を中心に、全員がそれぞれの信念・過去・理想を持って物語に関わっていく群像劇要素も魅力。特に女性キャラたちの芯のある言動は読み応えがあります。
✔︎ 読み終えたあと、問いが残る 何を信じ、何を守り、どんな未来を選ぶのか──読み終えたあと、自分自身に問いかけたくなる物語です。
著者ページ:

著者や書籍への印象(運営側から)
最後にサイト運営者からひとこと。

勇者の物語はなかなか読みごたえがあり、オススメです。
kindle電子書籍は『無料サンプル』として試し読みをすることができます。
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